愛猫にキャットフードを選ばれる際、飼い主の方々はいちばんなににポイントをおかれているでしょうか? この記事はグレインフリー(穀物不使用)を中心軸にキャットフードについて考えてみます。
統計によれば、現在半分近くの猫を飼われている方は、ネットの通販においてキャットフードを購入しているようです。
とりわけ多くはAmazon、楽天、それぞれの通販ショップにおいてです。
以前は専門店に行かなければ入手できなかった外国産のプレミアム・キャットフードも、ネットを使って簡単に購入できるようになりました。
もちろん高価格なものが多く売れているわけではなく、入手しやすい安い値段のものが人気です。あとは、ブランド名でしょうか。それに比べると、国産のフードはあまり人気がありません。
良質な国産キャットフードもあるわけですが、高価格だというイメージがあります。本当にそうでしょうか?
国産のキャットフードと、外国産のキャットフードは、なにが根本的に違うのか? キャットフード後進国といわれる日本の国産キャットフードの現状を考え、なぜ外国産はグレインフリータイプが多いのか? 国産は非グレインフリータイプが多いのか? そして、おすすめの国産キャットフード・ベスト5を選んでいます。
ぼくがベスト1に選んだ国産キャットフードは、ランフリー(桜姫鶏)です。唯一といってもいい、国産キャットフードのグレインフリータイプです。
もくじ
国産と外国産キャットフードの違うところ
日本は猫をペットと思う風習が古来からあります。軽蔑の視線ではなく、親近感をもっているためです。海外の国々では、猫を家族だと思っている感覚があります。ヒューマニズム、民主主義の思想の違いですね。
すでに「飛鳥時代」や「奈良時代」に、日本に猫は存在していました。中国からの輸入船に乗って、入りこんできたといわれています。猫は食料を漁ってしまう鼠取りのために、船に乗せられていたんです。
日本においても、人との共存生活においては、猫は長い歴史を持っています。
猫を動物として思わないゆえに、飼い猫に対する考えが、海外とは異なっています。それがキャットフードなどで、根本的に違う発想となって現れていくことになります。
米国飼料検査官協会とは?
アメリカにはAAFCO(Association of American Feed Control Official)があります。米国飼料検査官協会といわれます。ここがペットフードの成分基準値を定めています。
https://www.natural-harvest.co.jp/img/products/aafco_dry.pdf
出典:AAFCO 栄養基準に基づく成分分析一覧表
(タップ、クリックすると、大きくなります)
AAFCOはなにも法的強制力を持った組織ではありません。あくまで標準値を定めているのであって、要は、どの猫にどの程度の成分が必要なのかはわからないため、最も研究が盛んに進められているAAFCOのデータを、各国で共有し合いましょう、という結託がなされている、といった具合です。
日本においては、2009年に「愛がん動物用飼料の安全性の確保」に関する法律(ペット安全法)ができました。ペットフードに関しては、ペットフード協会がフードの安全を管理しています。
国産のキャットフードと、外国産のキャットフードには大きな違いがありまして、食品に関して、国産は安心安全だという風潮がありますが、キャットフードに関しては、当てはまりません。長い歴史の風習や、国民性や、法律基準など、あらゆる価値観によって育まれてきたことが理由です。
市販の安価の添加物だらけの国産キャットフードを購入する愛猫家たちは、確かに減少傾向にありますが、もっぱら外国産のキャットフードを買い与えるというのはどうなんでしょう…?
日本で猫を飼う方で、国産のキャットフードを与えたい、と思われる方はいらっしゃらないでしょうか?
外国産が安全だといわれる理由「グレインフリー」の是非
外国産のキャットフードの多くは、高たんぱく質をうたった、いわゆるグレインフリー(穀物不使用)タイプのものが多いです。猫は肉食であり、たんぱく質をエネルギーとします。咀嚼をせず、唾液を出さず、腸も人の半分の長さといわれていて、非常に消化が悪いです。栄養にもならないのだから、と穀物類は排除してしまおう、というのがグレインフリー・キャットフードの考えです。
ペットフード発祥の地はイギリスですが、欧州各国では、ペットフード産業が盛んです。ただ、以前は、もともと猫は人との共存生活を長らくしてきたという歴史があります。最近までは、猫は人のいらなくなった食べ物(食べ残し)を食する、という習慣でした。
いわゆる「猫まんま」(キャットフードの銘柄ではないですよ)といわれるものがありますね。この習慣がキャットフードの生産にも受け継がれていきます。
ほとんどのキャットフードは、猫の消化に悪い穀物類を大量に用い、人工着色料や添加物や、酸化防止剤などを入れて作られています。危険なのは、4Dミートといわれる、本来捨てるはずだったなんのお肉かわからない余分なお肉で作られた家禽ミールです。猫のお腹は満たすかもしれませんが、害をもたらすだけです。
猫をあくまで「猫種」として生態的に観察することから、キャットフード生産も変化していくことになります。
外国産のキャットフードでは、次の2点が強調されるようになっていきました。
|
しかし、日本では相変わらず低品質のキャットフードが蔓延しています。
粗悪なキャットフードを食べつづけていると、がんや腎臓病になるリスクが高まります。
高いたんぱく質は猫に必須な成分で、塩分も豊富ですから、喉の渇きを誘い、排尿をうながして、腎臓病予防にもよいのです。
グレインフリーの是非については、実はどちらともいえません。粗悪な穀物いっぱいの食べ物は猫には害ですが、いくらかの炭水化物に含まれる成分は、猫にとって重要な栄養素です。
グレインフリータイプのフードは、それらの栄養素をほかの野菜やフルーツなどで補います。
実際に、統計学的に、炭水化物を多く摂った猫が病気になったり、早くに死んだり、という明確なデータはないんです。
しかし、現実的に猫の寿命が飛躍的に昨今伸びているのは、キャットフードの良質化にあることに間違いありません。
とにかく、念頭に置いて欲しいのは、猫は自分でごはんを選べない、ということです。
人は食べるものを自分で選べるのに対し、飼い猫は与えられたものしか食べることができません。
国産の市販キャットフードは危険がいっぱい?
とりあえず、日本のペット産業界が遅れていることを認識しておくことは大事です。
日本もペットフード協会が中心となって、ペットフードの安全性を指導していますが、厳密な法律はありません。国産のフードではなく、海外のキャットフードを与える飼い主の方が多いのは、国産のフードが粗悪品といわれるからです。
アレルギーなどは一度発症してしまうと、なかなか快復するのに時間がかかります。悩まれている飼い主の方も、多くいらっしゃると思います。
猫を飼われて、どんなキャットフードを与えたらよいんだろう? とお悩みの方は、原材料と成分表を細かくチェックして、外国産のキャットフードを購入されるのも無理はありません。
手遅れになったとき、もう愛猫の体は病気に蝕まれているんですから…。
でも、実際人気キャットフードは外国産でしょ?
どんなキャットフードが人気なのか。具台的に、国内のフードランキングを見てみましょう。
キャットフードの先進国は、ドイツ、次に、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、ドイツ、スイス、北欧諸国などがつづきます。
売れているキャットフードは、以下です。
ピュリナワン、ロイヤルカナン、ナチュラルチョイス
・ピュリナワンはコーヒーで有名なネスレ企業が生産しているキャットフードでスイス産です。
・ロイヤルカナンはフランス産のキャットフードです。療法食として用いられる場合が多く、動物病院に行くと、たいてい獣医師の先生がすすめられるのが、このロイヤルカナンの療法食タイプです。
・ナチュラルチョイスはアメリカ産のキャットフードで、これも人気が根強いです。
この3つのキャットフードに特徴としてあげられるのは、年齢やタイプ別にいろいろな種類が豊富だということと、世界的に親しまれているフードというところです。
無添加で、栄養バランスが配慮されたキャットフードであることも特徴です。ただ、高価格なプレミアム・キャットフードではありません。ピュリナワン、ナチュラルチョイスは特に価格がそれほど高くないので、その辺りも人気なのだと思います。
やっぱりキャットフードは外国産が安全? 原材料について
結局、キャットフードは栄養管理面でも、安全面でも、外国産のものがよくて、国産のものはダメなのでしょうか?
原材料についても、少し考えてみましょう。
猫の栄養分として炭水化物は必要としないといわれますが、炭水化物には、健康管理維持のための、大切な繊維、ミネラル、ビタミンの成分も入っています。
繊維は便通をよくする働きがありますし、ミネラルは骨の組織を生成します。ビタミンはそれ自体に栄養分はないのですが、栄養素と栄養素の潤滑油のような働きをする有益なものです。
Amazonや楽天で人気のあるキャットフードは、いわゆる穀物を排除したグレインフリー・タイプではありません。ただ、国産の安価なキャットフードに比べると、猫にとって栄養素が高く、健康管理維持にも配慮がなされ、無添加であるところは特徴的です。
国産では良質なキャットフードは存在しないのでしょうか?
日本にも優れたキャットフードがありますが、なぜ多くの方が購入されないのかというと、2つ理由があります。
- 価格が高い
- ちょっとお金を足せば、安価なもので優れたフードが外国にある
これを国産キャットフードでクリアーできればよいのですが、現状ではむずかしい…でも、実際はそんなこともないのです。
国産の優れたキャットフード
キャットフードに関しては、日本は後進国だということを述べました。しかし、安心安全のキャットフードも存在します。確かにまだまだ少し価格が高めですが、グレインフリータイプのフードも存在します。
国産おすすめキャットフード・ベスト5
個人的に、5つ選んでみました。
- ランフリー(桜姫鶏)
- 日本のみのり
- ねこはぐ
- シェフキャット
- ねこまちちょいす (犬猫自然食本舗)
どれも天然素材の原材料、添加物の不使用、成分値においても、栄養バランスも優れています。独断と偏見の、ベスト5です。ちなみに、ランフリーキャットフードは、グレインフリー(穀物不使用)になります。
ランフリー(桜姫鶏)キャットフード
ランフリー(桜姫鶏) 100g 864円(税込) キトン
ベスト1に輝いた国産フードは、ランフリー・キャットフードです。今までぼくが個人的に、国産キャットフードを購入し、愛猫に与えた中で、もっともよいキャットフードだと思ったのが、ランフリー(桜姫鶏)のキトンだったので、1位にしました。
桜姫鶏は、飼育のときにとうもろこしを使わず、お肉が鮮やかなピンク色をしていることから、そう名づけられました。とてもビタミンEが豊富なんです。栄養たっぷりの贅沢なお肉です。
ランフリーは、その桜姫鶏という希少な鶏肉を原材料として使っており、無添加、穀物類も不使用です。ただ、難点がひとつあり、やはり価格が高いということです。
ランフリー(桜姫鶏)の原材料名:桜姫鶏むね肉皮なし、若鶏ささみ、ポークハツ、コーンフラワー、若鶏レバー、白米、ヤギミルク、小麦ふすま、にんじん、キャノーラオイル、ブルーベリー、食用卵殻粉、ひまわり油、干ししいたけ、クロレラ、きな粉、白ごま、EXV.オリーブオイル、魚油、まいたけ、しめじ、ズワイガニ甲殻粉、パセリ、抹茶
|
ランフリー(桜姫鶏)の成分:たんぱく質33%、脂質12%、食物繊維3%、灰分4%、水分9%以下 代謝カロリー 364kcal/100g |
ねこはぐ・キャットフード
もう少し価格を押さえたくて、栄養バランスも優れた国産キャットフードならば、個人的におすすめするのは、ペットハグという企業が生産販売しているねこはぐ・キャットフードがよいと思います。
2017年の末に新しく出たキャットフードで、どうかな…と思っていたのですが、我が家の愛猫にはとても好評です。
公式サイトから通販のみで購入でき、単品で購入すると6,980円と高いのですが、定期コースで買えば、最初の1.5kgが3,980円です。クレジットカード払いであれば、さらに500円引きで、3,480円です。解約も縛りなしで、自由です。
1日のキャットフード価格の目安は、同じように50g与えたならば、1ヶ月目が132円、2ヶ月目は199円と、かなり格安です。九州産の鶏肉と鰹節を原材料とした、よい国産のキャットフードです。
レビュー記事はこちら。>>ねこはくキャットフードの良い点悪い点<<
ほかですと、ねこひかり、無添加キャットフード安心、デイリースタイル、ミオドライ、JPスタイル、キャット・ヴィジョンズ・イーあたりの商品も、国産キャットフードではおすすめなので、ぜひチェックしていただきたいと思っています。ただし、小麦などのアレルギー源となる穀物が使われている商品もありますので、愛猫との相性には、ご注意を。
まとめ
国産のキャットフードでもよいものはある、ということを知ってほしいと思って、当記事を書きました。興味がある方は、ぜひ国産のキャットフードにも目を向けていただけたら幸いです。