愛猫のキャットフードにローテーションは必要なのかな? と悩んでいる飼い主の方も多いと思います。
「同じキャットフードを与え続けていたら、栄養が偏ってしまうのじゃない?」というのが心配なのかもしれません。
解答としては、どちらでもかまわない、キャットフードによる、としかいえないのですが、詳しく解説していきますので、ひとつの豆知識として、参考にしていただければ幸いです。
個人的意見として、ぼくはキャットフードはローテーションさせて、愛猫に与えています。その理由についても書いていきます。
もくじ
安心安全のキャットフードを与えましょう
まず、キャットフードを知ることからはじめましょう。
安心安全のキャットフードを与えていますか?
キャットフードローテーションを考えられる飼い主の方は、猫の栄養バランスを考えて、間違いなくそう心配されていると思います。
偏食になってしまうのじゃないか? ということです。
ただ、ローテーションの是非を問う前に、もし、飼い主の方が、ホームセンターなどで販売されている安価のキャットフードを、現在愛猫に与えているとしたら、即座にべつのフードに切り替える必要があります。
安価のキャットフードはたとえローテーションでも加えるのはやめましょう
国産の安価のキャットフードには、不純の添加物、酸化防止剤、人工着色料に加え、さらに猫の体に悪い穀物類が多く使われています。
人や犬が主に炭水化物をエネルギーにするのに対し、猫はたんぱく質を主成分とします。咀嚼をせず、唾液を出さない猫は、消化活動がおろそかです。さらに腸は人の半分もありません。
安価のキャットフードには、4Dミートと呼ばれる、いわゆる家禽ミールが入っています。なんのお肉で使われたかわからないものです。フードの原材料名に、「肉ミール」や「魚ミール」などと曖昧に記されてある場合は注意しましょう。
小麦を大量に使っていたりするケースも多いので、これも注意です。小麦は猫にとって最大のアレルギー源なので、摂取すると皮膚病などを発症する原因となります。
消化活動がおろそかな猫の場合、体に悪いものを食べると、人や犬のように体外に排出することができず、体の中にたまってしまいます。やがて、がん、になります。
穀物について
穀物類は一切不使用のキャットフードがよいのか? という問題は、それぞれだと思います。外国産のプレミアム・キャットフードの中には、穀物が一切不使用なグレインフリータイプのものがありますが、このフードを与えている飼い主の方も多いでしょう。
代表的なキャットフードでは、アメリカ産のナチュラルチョイスが人気です。日本企業がたずさわっているフードなら、モグニャン・キャットフードも人気です。当サイトから100円で、50g2袋のお試し買いもできますので、興味のある飼い主様は、ぜひ。
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猫にはよくないといわれる穀物類ですが、穀物類に含まれる炭水化物には、実は猫の栄養素として必要なビタミンをはじめとする多くの大切な成分も含まれているんですね。あるいは、便秘気味の猫ちゃんなどには、炭水化物を摂ることで、腸内活動が活発化し、病気を防止してくれるというメリットもあります。肥満の猫ちゃんはとにかく体に悪いので穀物は控えましょう。
グレインフリータイプのフードは、野菜やフルーツなどを原材料として加えることで、それらからビタミン類などの成分をフード内に摂りいれる工夫がされています。
グレインフリーがよいのかどうか? という問題は、少量の炭水化物なら問題はないし、栄養にもなるのだから必要だという意見と、不使用だという意見に分かれています。ぼく個人の意見は、どちらでもかまわない、という結論です。どっちつかずで、すいませんが。
ぼくは国産、外国産など、いろんなフードを愛猫に与えています。猫が好きなものを与えるようにしているんです。
ひとつだけ確かにいえるのは、不純な添加物が入っていたり、栄養が偏っていたりする安価なキャットフードは与えない、ということです。
キャットフードローテーションが持ち上がる2つの問題
新しいキャットフードを食べてくれなくなるんじゃないか問題
ある程度優れたキャットフードであるならば、猫の健康を考えて栄養バランスの配合がされていますので、ずっとそれを食べつづけても、健康を害するおそれはありません。
ただ、この場合、問題がふたつ湧き上がってきます。
「なにかの拍子で、今のフードを食べなくなって、あとから、キャットフードを変えても、食べてくれなくなったら困るから、今のうちからいろいろなフードを与える訓練をしておいたほうがいんじゃないか…?」ということです。
猫は同じフードを食べ続ける習性があります。非常に警戒心の強い動物なためです。皆さんの飼われている猫でも、なぜかお刺身が好き、とうもろこしが好き、海苔が好き、という、それぞれ独特な嗜好性を持つ猫ちゃんがいるんじゃないでしょうか?
ぼくが以前飼っていた猫は、人が食べるものは一切興味を示さなかったのですが、ベビースターラーメンだけは食べたんですね笑 もちろん体によくないものとは知っていたので、なるべく与えないようにはしていたんですけど、食べていると、どうしても寄ってきてしまうので、ときどき与えていましたね。
この嗜好は単に猫の性格なのではなく、子供の頃に人が与えていたから食べるようになった、ということが大きいです。
猫が新しいフードを食べてくれないとき、手のひらに乗せて与えるといい、とよくいますよね?
猫は「嗅覚」が優れていますが、体によいものと悪いものを区別する能力はありません。警戒心の湧かない飼い主が与える食べ物だから、それを食べるようになったのです。猫に「味覚」はありません。
ちなみに、人が食べるものは猫には与えないほうがよいです。中には死に至る危険な食材もあります。キャットフードを必ず与えてください。
今のキャットフードに飽きてしまうのじゃないか問題
もうひとつキャットフードのローテーションが頭に過る問題として、いずれ今与えているフードに飽きてしまうのじゃないか、ということがあると思います。
先に、猫は危険がないと思ったものをずっと食べ続ける傾向がある、と書いたので、矛盾するように聞こえるかもしれない意見ですが、たとえばいったん病気になって、療法食に切り替えて、体調がよくなったので元のフードに戻したら、なぜか食べてくれない、ということが起こります。
猫は「酸味」「苦味」を強く感じます。もともと肉食ハンターであった猫が、食べ物である肉が腐敗していても、食べても体に大丈夫なものなのかどうかを確認するためにその感覚は発達した、といわれています。なので、猫が生存するためには、「味覚」という要素は、ほとんど必要がないんですね。人が食べ物に強く感じる「旨味」や「甘味」は、ほとんど退化しました。
猫が極端に発達した感覚は、嗅覚です。この嗅覚が、どこかの環境の変化、体調の具合で、変化が起こる、ということがあります。
年齢によっても、起こります。老猫はそれほど多くのエネルギーを必要としないので、高たんぱく質のキャットフードを避けるようになります。
ポイントなのは、飽きてしまう、ということではなく、今までのフードを食べなくなってしまう原因は、猫の体の変化です。
猫は「美味しい」よりも、「危険かどうか」を基準に、ごはんを食べます。さらに、それは決してキャットフードの危険性を選別している基準ではありません。猫の嗅覚は、腐敗しているかどうかの能力を持っているにすぎません。
「美味しいから、このごはんを食べているんだね…」みたいなキャットフードのCMがよくありますが、かなり過剰な演出です。食いつき、ももちろんキャットフード選びの大切な要素ですが、食いつきが悪い=嫌い、という発想は持ち込まないほうがいいです。
ローテーションにしたほうがいいの、悪いの?
結局、ローテーションにしたほうがいいのか、どうなのか…
- 偏食になってしまうのではないか?
- 病気になった後、違うキャットフードを与えたとき、それを食べてくれないのではないか?
結論をいってしまうと、猫にキャットフードを与える場合、ローテーションを組んでいくつかのフードを与えたほうがよいです。あくまでぼくの意見です。
キャットフードローテーションのメリットとデメリット
メリット
- 複数のキャットフードを食べていると、栄養が偏らなくてすみます。
- なにかの体の変化で、愛猫の嗜好性が変ってしまった場合、新しいフードを食べやすくなる傾向があります。
- 多頭飼いの飼主の方は、いろんな種類や嗜好を持つ猫を飼っていると思われますので、それらの猫に相応しいフードを与えることができます。
デメリット
- 栄養素というものは、継続して体内に摂りいれていかないと、効果を実感することができません。キャットフードは猫の栄養を考えて作られています。ローテーションをしていると、バランスは取れる一方、せっかく高価なフードを買い与えたとしても、そのフードの良さを実感できない、という場合が起こってきます。
- 病気になったときに、もしフードに原因があったとしたら、どのフードが悪かったのか、そのなんの原材料や成分が原因なのか、それを突きとめることができない、という事態が起こってしまいます。
こう意見を並べると、ローテーションしないほうがよいのじゃないか? と思われる方が多くなるのは当然だと思います。それでもぼくはローテーションをおすすめします。
キャットフードローテーションの方法
なぜ、ローテーションをすすめるのか、の前に、前提として、キャットフードはどうローテーションを組んでいくのが良いかについて書いておきます。
キャットフードの多くは栄養バランスを考えて作られています。いくらか継続しないとその独自の効果が活かされないという側面があることに注意してください。
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こうすることで、フードの効果も実感できますし、猫も「フードの定期的な切り替え」という現象にも慣れていきます。
猫は腸内環境の働きが悪いので、それを調整するのにしばらく時間もかかります。食いつきが悪い、というのは、「味覚」ではないのです。
食べてくれない場合は、無理に与えることはおすすめしません。同じメーカーのフードなのに、チキン味は食いつきがよく、サーモン味はさっぱり、なんてことも、普通にあることです。キャットフードに難癖をつけることはやめましょう。
ぼくがプレミアムキャットフードをローテーションする理由
最後に、ぼくが愛猫にキャットフードをローテーションする理由を書きます。
どうしてこれだけ世界中に多くのキャットフードが存在しているのか? と飼い主の方々は、一度は考えられたことがあると思います。
もちろん経済的事情のために、それぞれの企業が独自の開発をしているからなのは当然な事態なんですけれど、猫の種類や年齢や体質もさまざまであるように、どのキャットフードが本当に、我が家の愛猫に相性がよいものなのかどうか、それは与えてみないと見当はつきません。
いくらかのキャットフードが、年齢だけではなく、様々な種類に区分けされているのは、それだけフードと猫に相性がある、ということです。
現在の日本の飼い猫事情では、2匹のうちの1匹の猫は、なんらかの症状に見舞われて、動物病院に通っている、というデータがあります。
生まれつきアレルギーや皮膚炎を持っていたりする猫もいるので、すべてはキャットフードが原因だとはいえませんが、本当に愛猫に相応しいキャットフードを与えているかを、日々考えることが必要です。このフードを与えていれば大丈夫、というのは、飼い主の一方的な考えです。
ぼくは以前飼っていた猫を、FIP(猫伝染症腹膜炎)で亡くしました。その猫はわずか1歳半の人生でした。
そんな病気があることを、そのときまでぼくは知りませんでした。命が尽きる間際は、大好きなアイスクリームをよくスプーンの先に乗せて与えてあげました。本当に美味しそうに食べるのです。もちろん体に悪いもので与えてはいけない食べ物であることはわかっていましたが、ぼくは与えました。
たとえば、療法食を考えてみます。
そのフードに添加物が入っていても、食欲を旺盛にする、ということが、健康の第一歩ならば、そのフードは猫にとって必要なキャットフードということなんです。あるケースでは危険成分でさえ猫には健康に良い食べ物に変化します。
食いつきがいい、健康に良い、でキャットフードを選ぶのは決して間違ってはいませんが、キャットフードで大切なのは、本質的な意味でそのキャットフードが今の愛猫に相応しいものなのかどうか、です。
ぼくが思うことは、愛猫が食べてくれるキャットフードがよいキャットフードであり、食べないキャットフードは悪いキャットフード、です。
もちろん、最初に書いたような、ホームセンターで売っている安価の国産のキャットフードは論外です。
原材料や成分をよく知り、キャットフードについて勉強をすることも前提です。
猫は人と違って食べ物を自分で選ぶことができません。ぼくは、猫に出来る限り自分で食べ物を与える自由を与えてあげたい、という思いがあります。死んだ猫を思いだすためです。そのためにいろいろなキャットフードを与えてあげる、食いつきがよいものはたくさん与えてあげる、ということをしています。